<こんな病気>
「日本から完全に駆除するのは不可能に近い」と言われるシラミが、最近、増加する
傾向にあるようで。萌夏sanのまわりでも複数件、耳にする機会がありました。
- アタマジラミ … 体長:2〜4ミリで、灰〜茶褐色の細長い体をしています。
* 頭髪に感染(髪の接触、タオル・帽子やロッカーの共用)
* 側頭部、後頭部、両耳の後ろ側に(シラミやその卵が)みつかります。
- コロモジラミ … 体長:約3ミリで、白もしくは灰白色の細長い体をしています。
* 人間同士の接触で感染。
* 最近日本ではほとんど発生していませんが、海外でシラミに感染して、
それを日本国内に連れ帰ってしまうケースが増えているようです。
* 全世界に分布し、発疹チフスを媒介する事でも知られています。
- ケジラミ … 体長:1〜2ミリで、灰〜茶褐色の幅広い体をしています。
* 陰毛部にいるので性行為などで感染します。
* 稀に、親から乳幼児のまつ毛やまゆ毛、頭髪にも感染することがあります。
Q.ケジラミとアタマジラミは別種?!
A.アタマジラミが眉毛・脇毛・胸毛などにも寄生する例があり「単に住む場所が
違うだけで、本来は同じ虫ではないか?」という説もあるそうです。
どちらにしても「可能性がゼロ」ではないようですね。
<感染>
- 感染経路 : 接触感染
シラミは頭と頭の接触か、シラミを持っている人が使っている帽子や寝具、
ブラシやタオル等を通しての感染が一般的です。
- 季節変動 : 特にありません。
夏には比較的少なく、秋から冬にかけて多発する傾向にあるようです。
また(幼稚園や学校で)プール使用前に検査することから、5〜6月に
みつかるケースも多いようです。
- 頭髪から離れると(条件により異なりますが)7〜72時間で死滅します。
- ぼうず頭では生息不可
頭をくっつけあって遊ぶことが多い幼稚園児〜小学校低学年で感染率が
高く、女の子に多いのが特徴です。
- 潜伏期間 : 約1ヶ月
卵の期間が約7日、幼虫の期間が7〜16日、成虫の期間が約1ヶ月続き
ます。成虫の寿命は30日〜45日程で、幼虫が卵を産むことはありません。
Q.プールでうつる?!
A.水のある場所では(シラミが毛にしっかりつかまり)むしろ移動しにくい状態です。
それよりも、脱衣かごやロッカー、ヘアブラシやバスタオル等の共用によって
うつるケースが考えられるので、直接、衣類を棚やロッカーに入れず、ポリ袋などに
入れたり、ブラシ等の共用を避ける習慣をつけましょう。
<症状>
- メスの成虫は、毛根近くに卵を産みつけます。
… 卵はしずく状で、立体感・光沢があるのが特徴で、指でプシュと潰せます。
比較的、つまんで取れやすい「ヘアーキャスト(フケと脂肪分の固まり)」、
そして、取れにくい「卵の脱け殻」・「バレエで使うセット剤の洗い残し」は、
慣れた人でも見間違うほどでした…!?
ちなみに卵は、1日に約8個、1ヶ月で200〜300個にも増えるそうです。
- シラミは毛根近くにいて、血を吸って生息します。
… 血を吸われると(蚊と同じく)強い痒みが起きます。
ただしその痒みには個人差が大きく、自覚症状が出ない場合もあります。
- 頭皮の湿疹症状・皮膚炎症が加わります。
… 掻いてしまうと、ひっかき傷からバイ菌が入り、リンパ節が腫れるなども
します。痒くても、できるだけ掻かせないように気を付けてください。 - 全身性の皮膚炎を引き起こすことがあります。
<治療>
まずは「決して不潔が原因ではない事」、「きちんとした対処をすれば10日くらいで
駆除できてしまうことを理解する必要があります。
- スミスリンパウダー
… 枕やシーツについたシラミは1〜3日で死んでしまいますが、再寄生を
防ぐためパウダーを散布し、洗濯・掃除をすれば、尚安心♪
その場合は、1平方メートル辺り15g程度を目安にして、下着類・
寝具類、畳・床などに散布し、数時間後に洗濯・掃除をして下さい。
- スミスリンシャンプー
… 「髪が短いと洗いやすい」という観点から「まずは髪を短く切るように」と
勧める医師が多い中、シャンプーの説明書には「毛の根元付近に本剤が
いきわたるようにすれば良いので、別に髪を切る必要はありません」という
女の子には嬉しい(?)注意書き。
- 皮膚の症状がひどくなってしまった場合
… 痒み止めの内服や外用、場合によっては湿疹の治療をします。
Q.ドライヤーで効果的な駆除はできる?!
A.湿度:90%/温度:30度の環境を好み、成虫・幼虫は40度以上で死滅、卵は
60度以上で死滅し、20度以下では卵を生まないと言われています。
ただ仮に、40度以上の熱を充分にあてられたとしても、温風に驚いて髪から飛び
出し、他の人に感染してしまう可能性が高いため、効果は期待できないそうです。
また、卵までは除去できないため、その卵が孵れば元通り…!?
<予防>
- 遊びの中で、頭の接触をしないように注意をします。
… なかなか難しいところではありますが。帽子の共用を避けるところから、
まずは始めてみてはいかがでしょう?
また、子供同士だけでなく教師、両親への感染も稀ではありません。
- 清潔を保つ
… 不衛生にしていても発症はしません。でも、仲間を増やす恐れがあります。
逆に言うと、毎日、しっかりお風呂に入って身体をきれいにし、洗濯された
服を身につけていても(シラミを持っている人と頭の接触などすれば)
簡単にうつされてしまいます。
- 再発の危険性が高いと言われています。
… 成虫を残らず退治しても、卵が1つでも残っていれば、復活してきます。
家族・クラス・学校など、ある程度の集団で一斉駆除しない限り、
「お友達からもらってきて、お友達に返し、またお友達からもらってくる」
なんて状況も、決して珍しくないのではないでしょうか?
毛にこびりついた卵の脱け殻も、シャンプーに添付の(目の細かい)
「梳き櫛」などで、丁寧に取ってあげてください。
- スミスリンに予防効果はありません。
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