水イボ(伝染性軟属腫)
<MIZUIBO>
<こんな病気>
 正式には「伝染性軟属腫」(でんせんせいなんぞくしゅ)といいます。
 水イボウイルス(伝染性軟属腫ウイルス)の感染によって人から人へ染る良性のイボで、
 乳児〜幼児期の子供がかかりやすく、大人では非常に希です。
 また一度かかって完治した後は免疫ができるので、再びかかる事はほとんどありません。
  •  接触感染 : 患者のイボが破れて、出てきた液に直接触ることで感染します。
  •  潜伏期間 : 14〜50日(2〜7週間)
  •  移しやすい時期 : 水イボが存在 する期間
  •  かかりやすい時期 : (一般的には)幼児期〜学童期までの子供
        … 年長になると免疫が出来るので、簡単には発生しなくなります。
          大人では非常に希ですが、自分の子からうつるケースも中にはあります。

    * 夏場になると「とびひ」にならんで多くなる子供の皮膚病で、1980年代以降、
      スイミングスクールの普及・流行により増加している。

<症状>
 
あわ粒から米粒くらい(1〜数ミリ)のイボができます。
 痒くなることは時々ありますが、ひどく痛くなるようなことはなく、全身に与える影響は
 特にありません。

  •  イボは、小さいもので直径0.5ミリ、普通は2ミリ前後、大きいもので5ミリ大。
  •  表面は白く光り、丸くふくらみ(大きいものは)真ん中がへこんでいます。
        … 薄い皮膚の下にチーズのようなものがおさまっていて、これでうつります。
  •  手の平や足の裏には通常出ないものの、体のどの部分でも出る可能性はあります。
        … 主に胸、背中、おなか、そして手足にでき、広がりやすく、そのまわりに
          湿疹のような皮膚の変化を伴うこともあります。

<治療>
 
ほうっておいても、6〜24ヶ月ぐらいで自然に治ることがほとんどです。

  •  ピンセットで摘んで取り去る方法が一般的。
        … 中身を完全につまみ出して消毒した後、化膿止めを塗り、1〜2日、
          入浴を中止する方法がよくとられています。
          痛みと少量の出血を伴うものの、痕は残らず、その場で治癒します。

    * 慣れたら自宅で処置するママもいるとの事。
       … その場合、取ったイボにはウイルスが詰まっているので、速やかに
         捨てて子供の手に触れぬよう気を付け、また細菌感染を起こして、
         重症化させないよう、充分な注意が必要です。

  •  硝酸銀の溶液を塗る方法
        … 痛みは無いものの、カサブタになって取れるまでに14日前後もかかる
          のが難点。 < ちなみに家の子、痛かったそうですよ。
  •  痒みが強い場合、非ステロイド系の塗り薬が処方されます。 
  •  掻かない!
        … 広がらないようにするには、爪をよく切っておくことが重要になってきます。

<イボの正体>
 実際に水イボの中にあるものは、水ではありません。
    … 中には白いチーズのようなものが詰まっており、ピンセットなどで強く摘むと
      出てきます。この白い内容物は、皮膚の残骸とウイルスが混じったもので、
      引っ掻くと周囲に拡がり、新たな感染を引き起こす事になります。

  •  一旦指に付いてから拡がる場合が多いので、“離れた部位”や“他人”に感染する
     可能性が高くなります。
  •  引っ掻いたりするうちに細菌感染を起こすことがあります。
        … こうした場合は大きく腫れて化膿することが多く、また化膿しないまでも、
          掻く事により(イボの内容物が飛び出して)拡がるため、掻かないように
          過ごさせる事が大切になってきます。
  •  ウイルスが皮膚の表面から侵入して発症するため、皮膚に障害があれば、
     感染しやすくなります。
    •  アトピー性皮膚炎
          … アトピーの子供は、皮膚が乾燥し、微少な「キズ」が無数にある
           状態:「防御力が低下した状態」になっており、普通の子供より皮膚の
           バリアーが弱いせいか、水イボになりやすいと言われています。
    •  湿疹と水イボが同じ部位に認められる事がしばしば経験される。
          … 湿疹と水イボの治療を二段階に分けて行うと効果的な場合もある。

<予防>
 伝染性という言葉が付いているので、非常にうつりやすく感じますが、伝染性という言葉
 は、どちらかといえば、自分の体の表面であちこちに広がって行くことを指しているようです。
 他人にうつる事はもちろんあるので配慮が必要ですが、ちょっと一緒に遊んだらすぐに
 うつってしまうほど確率の高いことではないようです。

  •  子供の遊び友達が水イボに罹っている時は、お風呂で念入りに洗いましょう。
        … ただ、アトピー性皮膚炎がある場合は、洗いすぎが湿疹(皮膚の状態)を
          さらに悪化させるので、医師の指導を仰いだ方が良いでしょう。
  •  自分の子供が水イボとわかった時には“安易に”他の子供と遊ばせたり、スイミング
     スクールに参加させたりすることは避けましょう。
  •  うつらないようにするためにも、うつさないようにするためにも、普段から爪は短く切り、
     きちんと洗って手を清潔に保ち、汚い手で体を掻く事などないようにしましょう。

Q.プールでうつる?

 うつるかといえば、うつる可能性はあります。
 ただ、接触感染によってうつるため、プールの水からうつる事はまず考えられません。

 プールの水の中では皮膚の表面を常に塩素殺菌をしているようなものですし、通常の
 塩素濃度でウイルスはすぐに死んでしまします。
 つまり、うつるのは水の中ではなく、肌を直接露出した子供が一緒にいて接触する
 “更衣室”や“プールサイド”ということになります。
 そういう意味から、ビート板やタオルの共用は避けるようにしましょう。

 ただ、プールや浴場など、皮膚が水分でふやけている時にうつりやすいのは確かです。
 裸になって触れ合うことでうつりますので、プールの前後によくシャワーを浴びるのも
 予防につながります。

 また、うつるのは肌を露出しているからであって、そういう意味では、半そで半ズボンで
 長い時間一緒に遊んでいれば、うつる頻度は“プール”と“その他”では、大差がないと
 言えるのではないでしょうか。

 例えば「とても元気で、熱もせきもないけど、鼻水だけがちょっとだけ出ている」という
 子供を、ためらいもなく学校や幼稚園に行かせてはいませんか?
 少なくともそちらの方は“全身の感染”ですから、ずっとよくないことです。

Q.水イボはとる? とらない?

 水イボをとる処置をしても(0.5ミリのものまで)100%とれるわけではありませんから、
 うつる確率は(減るものの)ゼロにはなりません。
 つまり、厳密なことを言い出したらきりがないということです。

 また「水イボを掻いてつぶれると、その指や爪の間にウイルスがついて、その指で触っ
 たり、掻いたりする事で自分の体の他の部位や、友達にうつっていく」という感染経路から
 見ても、水イボのできた場所・生活・症状によっては、うつる頻度が非常に低くなります。

 また何より、全身に与える影響が特にないことから、痛い思いをさせてでも「とるべきだ」
 と言う医者と「とる必要がない」と言う医者に意見が分かれるのではないでしょうか。
 医学的な問題というよりは、医者・お母さんの気持ちの問題に関与する部分が
 大きいように思います。

 ただ、2〜3個のうちであれば、どの治療をするにも、1分もあれば済んでしまうものの、
 とくにアトピー性皮膚炎の子供の場合、急速に悪化して全身に100個以上も出る場合が
 ちょくちょく見られます。
 また、稀ではありますが、水イボが巨大化して手術をしなければならなくなったりもします。
 二次感染を起こして重症化する場合も、少なくありません。
 全身に拡がってゆくスピードが速いものだとか、痒みが強いものは、取る方向で考え、
 何より早めの受診と、注意深い経過観察が必要に思います。

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