<こんな病気>
小児・若年成人が中心に流行する(1歳以下には比較的少ない)病気で、マイコプラズマ
という微生物(細菌とウィルスの中間くらいの大きさ)が原因となり、感染が起こります。
- 飛沫感染
… 患者のセキやくしゃみから感染します。
患者と同じ部屋で寝ないようにしましょう。 - 潜伏期間
… 6〜32日と長いため、学校・幼稚園等の施設内で流行が起こると、
数ヶ月蔓延する可能性まで出てきます。
- 移しやすい時期
… 有効な抗生物質も、あくまで菌の増殖を邪魔するものであって、殺す
ものではないので、患者本人の症状が軽快後でも、数週間〜数ヶ月
(13週間)に渡って分離される事があります。
流行は、若い人達の間で、年間を通して見られますが、流行は秋が多いです。
日本では以前、4年毎の流行が見られ「オリンピック病」とまで呼ばれた時期が
あったようです。(最近では、不定期流行になってきています。)
<症状>
- 発熱や頭痛を伴った気分不快が3〜4日続きます。
… 熱は出る場合と、出ない場合があり、39〜40度の熱が出る場合も。
- その後、長引くしつこい乾いた咳が特徴。
… 咳は、早朝・夜間就寝時に増強する傾向があり、2週目をピークに、
約4週間の咳が続きます。
- 25%の子供に、吐き気・嘔吐・下痢などの、消化器症状が見られます。
- 鼻水・鼻詰まり・中耳炎・鼓膜炎・筋肉痛・関節痛・発疹
- 「歩く肺炎(walking pneumonia)」と呼ばれる訳
… 肺炎の中では症状が軽く、入院を必要としない場合が多い、つまり、
歩いて通院治療を受ける患者が多いからです。
- 何回も感染する事がありますが、5歳未満の幼児の場合、症状が軽いか、
無症状の場合が多く見られるため、感染に気付かず、蔓延する可能性が
高い病気です。
… 1歳の誕生日までに「40%」、5歳までに「65%」の子供が、
大人まででは「97%」が感染済み。
<治療>
- 聴診器を当てると、呼吸音の弱いところがあり、レントゲン検査をすると、特定の
位置に影ができます。
- 分離培養し、診断する事もできます。
… 検査結果が出るまでには、1日〜1週間かかり、診断が出た時には、
ピークを過ぎている事も…?
- 有効な抗生物質があります。
… セキが続く場合、早めに医師に相談しましょう。
<予防>
- 予防接種は、今のところありません。
… 人ごみを避けましょう。
- 鼻をほじらせないよう、手を洗わせましょう。
… 汚染した指を鼻の中に入れることによって、鼻の粘膜まで病原体を
運んでしまう可能性があります。
鼻はかむようにし、使用後のティッシュもすぐに始末し、手を洗いましょう。
- 強いセキがあったり、熱がある場合は、幼稚園を休みます。
… 症状や環境により違うので、医師の指示に従いましょう。
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