『五体不満足』   乙武洋匡    講談社

     「障害は不便です。だけど、不幸ではありません。」(へレン・ケラー)
     「感動は求めません。参考にして欲しいのです。」というフレーズで、
あまりにも有名なこの一冊。

 「兄弟のいないオマエがわがまま放題に育たないよう、父と兄の二役をこなすなんて、
俺はなんていい親なんだろう?」という父親。
自分の特長(=そのものを特徴付ける“長所”)を、「手足がないこと」
 と自信を持って言い切れる、その息子。
 出産後、黄疸が激しいと言う理由を疑いもせず、対面を1ヶ月先延ばしにされた末、
やっと対面した第一声は「可愛い♪」だったと、
「手足がないことへの驚きよりも、やっと我が子に会えた喜びが勝ってしまった」と言いきる母親。

 彼は「心のバリアフリー」に向け、何より大切なのは、「慣れる事」だと、
 「障害者は、今の世の中の救世主になれる」と言っています。
 彼の“周りにいる人”が、羨ましくなる一冊。

<名付け:洋匡(ひろただ)>
『太平洋のような広い心で、世の中を匡(正す)』
「国」は囲いの中に王がいるが、「匡」は自由に移動できる行動力のある王を示す。

<両親の教育方針>
『強い子に育てる。“障害を盾に逃げるような子”にだけはしない。』
『この子は、生まれてきた時から個性的だったんだ。
ミルクの量や、睡眠の時間だって、人と違って当たり前。他の子と比べないようにしよう。』
『どんな子を育てるにしても、苦労はつきもの』

<父はこんな人 勲章>
彼には、左右の肩口から、腰の中心部に向けて、
背中全体に、Vサインの傷があります。
骨の成長が、肉の成長よりも早いため、放っておくと、手の骨が肉を突き破って、
飛び出してきてしまう。
それを避けるために、背中の筋肉(比較的成長の度合いが早い)を切り取り、
手の先端部分を、包み込む手術を2回に分けて、受けました。
そんな彼に、父は…。
『「冬休みに右腕も手術する事になるから、
反対側にも同じような傷が残るな。そうしたらVサインになるぞ。勝利のVサインだ。」
辛くなるはずの傷跡が、勲章のように思えてきた。

<母はこんな人 街中で…。>
ある日彼は、見ず知らずの男性に声を掛けられ、敬意を示されたそうです。
その人は、どこから、誰が見ても、その筋の人…。  … それを聞いた母親は…?
『だって、ああいう人達はツメるといっても、小指一本程度でしょう?
あんたなんか、全身つめちゃってるんだもん。それは敬意を表されるわよ。』

<心の壁>
『初めて会った時に、必要以上の壁を感じてしまうのは仕方がない。
しかし時間が経っても、
つまり「慣れてない」という言い訳が通用しなくなっても、
なおその障害者に壁を感じてしまうようであれば、それは障害者側の問題である。
そこで重要なのが、人柄、相性といった問題。
しばらく接していてもその人とは付き合いづらいと感じたら、
「障害者だから」と変な同情を寄せて無理に付き合う必要はないだろう。
その時、その障害者が「差別だ」などと寝言を言ったら、きちんと教えてあげて欲しい。
「あんたの性格が悪いんだよ」と。

<障害は個性の一つ>
『太っている人、痩せている人、背の高い人、低い人、色の黒い人、白い人、
手や足の不自由な人。』

<障害者は、可哀想?>
『中には性格が悪く、誰にも相手にされないような障害者もいるだろう。
そんな彼らは確かに「可哀想な障害者」だが、
それは障害から来るものではない。
その人が、たまたま障害者であったというだけで、人間の中身の問題だ。

<障害者は、可哀想?>
障害者の親が過保護になる要因としては、
「可愛い」という気持ちよりも、「可哀想」という気持ちの方が強いように思う。
親が子どもの事を「可哀想」と思ってしまえば、子どもはその事を敏感に感じ取るだろう。
そして「自分はやっぱり可哀想な人間なんだ。」
「障害者は、やっぱり可哀想なんだ。」と後ろ向きの人生を歩みかねない。

<障害>
環境さえ整っていれば、僕のような体の不自由な障害者は、障害者でなくなる。
例えば、駅には、エレベーター。バスやタクシーには、リフト。
ホームと電車の間に、すきまや段差がなければ…。
障害者を生み出しているのは、紛れもなく、環境の不備。』

<普通教育>
『足の不自由な子がいれば、車椅子を押してあげれば良い。
耳の聞こえない子がいれば、隣りの子が代わりにノートを取ってあげれば良い。
それだけで、普通教育は受けられる。』
が、現実問題…。
『障害を持つ子がクラスにいると、先生の注意がその子ばかりに注がれて、
他の子達への対応がおろそかになるのではないか?』
保護者から、非難の声が相次いだそうです。
学校側の対応がしっかりしてこそ、実現できる事なのでしょう。

<救世主>
『目の前にいる相手が困っていれば、何の迷いもなく手をかす。
助け合いができる社会が崩壊したと言われて久しい。
救世主となるのが、もしかすると障害者なのかもしれない。

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