<こんな病気>
遠視とは、近くのものにピントが合わず、ぼんやり見えてしまう屈折異常をいい、
一般に「遠くはよく見えるけれど、近くがよく見えない」と言う人が多いようです。
強度の遠視の場合には、近くだけでなく、遠くもよく見えなくなります。
- 遠視の種類
* 軸性遠視
… 眼軸が短いために、角膜・水晶体で屈折した光が結像する前に網膜へ
届いてしまい、網膜の後ろで焦点が結ばれるという状態。
* 屈折性遠視
… 角膜や水晶体の屈折力が弱すぎるため、網膜上で焦点を
あわせることができず、網膜よりさらに奥でビントがあってしまう状態
- 軽い遠視の場合
… 若い人なら(目の調整する力があるため)遠くでも近くでも見えます。
ただし、目の屈折力が衰えていくにつれ、まず近くが、その後室内の
距離でも見えにくくなると言われています。
- 中度の遠視の場合
… 遠くは見えるのに、近くの物を見ようとするとピントが合いません。
- 強い遠視の場合
… 近くも遠くもピントが合わず、よく見えません。
<原因>
勿論、先天的な遠視もありますが。幼い頃の目は大抵遠視の状態で、成長に
伴い、6歳くらいまでに改善される場合が多いそうです。
- 子どもの遠視の多くは、眼の成長不足が原因。
… 体が成長すると共に、眼球も大きくなり、眼球の長さが十分でないために
(眼の奥行きが短く、眼軸が短い状態になって)起きていた遠視の状態が
改善される場合も多いそうです。
<症状>
視力検査などでは、いい視力として結果が出ることも多く、特に子どもの場合、
調節力が強いため、発見されにくいと言われていますが。
年をとるにつれ、また強度の遠視になると症状が現れてきます。
- 絶えずピントを合わせる為の調節を必要とするため、眼精疲労・肩こりに
なりやすいのが一番の特徴。
- 集中できないため、学習や仕事の能率があがらない。
- 視力はいいのに「見にくい」という自覚症状。
- 子どもの場合「きちんとピントが合う」という状態がどんなものかを知らずに
成長してしまうことにも繋がり、脳へちゃんとした映像が送られない事から、
映像の分析をしてくれる脳の働きが育ちにくくなることがあるそうです。
- 弱視になる可能性も高く、斜視の原因にもなり得ます。
<治療>
メガネでの治療(矯正)が最も簡単で安全といわれています。
- 遠視用メガネは通常、見えないものを見えるようにするメガネではなく、
眼の疲れをとるメガネとなります。 →1日中掛けていることになります。
強度の遠視でも、メガネで矯正すれば、十分な視力が得られると言われています。
- 眼鏡を使って矯正をした上で、眼をたくさん使い、ピントの合った正しい光を網膜に
送り込んであげる事で、治療の効果をより一層高めることになります。
- 平成18年4月以降、9歳未満の子どもについては、屈折異常の矯正用メガネと
治療用コンタクトレンズに、一部を除き保険の適用が認められています。
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