円形脱毛症
<ENKEI-DATSUMOUSYOU>
<こんな病気>
   自覚症状などは何もなく、ある日突然、頭にコイン大のハゲができる病気。
   円形の脱毛巣が一つだけできるものから、頭髪全体が抜けるもの、全身の毛が
   抜けるものまであります。
   また最近では、小学生の子供がかかるケースが増えています。
  •  単発型 … 頭髪が円形に2〜3ヶ所:単発的に抜けるもの。
  •  多発型 … 繰り返しやすく、頭髪が多発的に抜けるもの。
  •  全頭脱毛症 … 頭髪が全部抜けるもの。
  •  悪性脱毛症 … 頭髪が全部抜け、まゆ毛・まつ毛・ひげも抜けるもの。
  •  汎発性脱毛症
          …頭髪が全部抜け、まゆ毛・まつ毛・ひげ・わき毛・陰毛・その他の全身の
           毛も抜けるもの。予後の悪いことが多くみられます。

<症状>

  •  脱毛巣周囲の毛を軽く引っ張ってみて、数本の毛が抜ける間は進行中です。
        … 進行が止まれば、多くの場合は数カ月後に軟らかい毛がはえてきて、
          その後硬い毛がよみがえります。
  •  脱毛巣の皮膚は周囲より凹んだだ状態になっていて、しばしば軽い発赤を伴います。
  •  なりやすい体質の人もあり、そういう人はしばしば再発を繰り返します。
        …治癒後5年以内に、約40%が再発するといわれています。

<現状>
   人間の毛周期と同一の毛周期を持つ動物が存在しないため、実験ができず、
   「原因」と「治療法」が確定されていないのが現状です。
   そのため、年単位の時間を費やしても、完治するのかしないのかの見通しもつかず、
   本人や家族の精神的苦痛は、はかり知れません。
   にも関わらず「生死に関わる病気ではない」と軽視されることも少なくなく、また、社会的
   にも病気としての認知や 理解がほとんどないために、差別やイジメの標的とされている
   現状があります。
   円形脱毛症という病気は、感染・伝染・生命危機の心配はありませんが、誰もが発症
   する可能性を秘めた病気と言えるでしょう。

<原因:仮説>

  •  免疫異常(アレルギー)説
        … 毛の根元へリンパ球が、集まってくることから起こるという仮説。
          リンパ球は血液の中にあり、扁桃炎や肝炎など、通常、炎症部位に集ま
          ってきて、炎症を鎮めようとします。
          ちなみにこの症状は、他の免疫異常疾患(甲状腺疾患・尋常性白斑・
          糖尿病・アトピー性皮膚炎など)と同時に起こりやすいといわれています
          が、詳細については、まだよくわかっていません。
  •  精神的ストレス説
        … ストレスによって、胃潰瘍や十二指腸潰瘍が起こるのはよく知られてい
          ます。これは、ストレスにより血管が収縮し、その部分の粘膜が死んで
          しまい、潰瘍:すなわち穴があいた状態になってしまうのです。
          もし同じことが頭皮で起きたとしたら…???
          おそらくその血管を中心に、毛が丸く脱落してしまうのではないでしょうか。
  •  内分泌障害(ホルモンの異常)説
  •  毛周期障害説
        … 病巣部の毛が一斉に休止期毛(細く、色調も薄くなった毛)となる考え。
  •  感染アレルギー説
        … アトピー性皮膚炎による脱毛という考え。
  •  自己免疫説
        … 毛母細胞に対する自己抗体が作られるという考え。

     * 遺伝的素因(体質)と、生活環境・ストレスなどが引き金になっているという
       仮説が、仮に正しいとした場合、遺伝的素因は何ともしがたいですが、生活
       環境・ストレスは、ある程度コントロールが可能なのではないでしょうか。

<治療>

  •  自然治癒
        … ほとんどの場合、自然治癒するといわれています。
          ただし、精神的ストレスが基礎にあるとするなら、そのストレスを解消する
          方法を見いださないことには、根本的な治癒にはなりません。
  •  精神安定剤
        … ストレスが強く、よく眠れないような方には、軽い精神安定剤も有効です。
  •  紫外線療法・ドライアイス
        … 頭皮を刺激するために、紫外線療法やドライアイスを患部にあてる療法
          があります。しかしとても痛いので、子供には向きません。
  •  単発性のもので、2〜3ヶ所くらいの場合の治療法
        … 1年以内に自然に治ることがほとんどなので、免疫異常を押さえ回復を
          多少早める為、副腎皮質ホルモンの外用やグリチルリチンの内服をします。
  •  多発して長期化したり、全頭、全身型で何ヶ月も毛の再生がみられない場合
    •  雪状炭酸圧抵療法
          … 雪状のドライアイスを固めて、脱毛巣に約1秒(軽く)あてるもの。
      •  有効率は約70%といわれています。
      •  1〜2週に一回行います。
      •  1年くらい行っても効果がない場合
            … 皮膚が傷んで跡になる恐れがあるので、一旦中止を。
    •  局所免疫療法
          … 人工的に、脱毛巣にかぶれの皮膚炎を起こさせるもので、
            現在、最も有効で安全な治療といわれています。
      •  人体に安全
            … かぶれを起こしやすい「SADBE」や「DPCP」という化学
              物質の溶液を、1〜2週に一回、筆で脱毛巣に塗り、
              あまり痒くない程度の“弱い皮膚炎”を起こさせます。
      •  有効率は90%以上といわれています。
            … 他の治療で効果のない広範囲の脱毛の難治例でも、
              50%以上の有効率があるといわれています。
      •  中止すると約半数は再び脱毛するため、何年も続けて行く必要が
         あります。

<髪の毛の特性>

 例えば、抗癌剤を投与された人の場合、髪の毛は、すぐに抜けてしまいます。
 しかし、治療が終了してしばらくすれば、また元の状態にもどります。
 このような反応を示す臓器は、髪の毛以外にはありません。
 このように、髪の毛はストレスに非常に弱い臓器であり、また再生能力も非常にすぐれた
 臓器であるという特色があるのです。

<ホルモン>

 性ホルモンには、男性ホルモンと女性ホルモンがあります。
 人の体の中で、男性ホルモンは、副腎という腎臓の上に乗っかっている豆粒大の臓器と、
 睾丸で作られています。女性ホルモンは、その副腎と卵巣で作られています。
 男・女に関わらず、男性ホルモン・女性ホルモンの両者を持ち合わせてはいますが、
 その量に差があります。

 一般的に、男性ホルモンが多いと毛の量が多くなり、女性ホルモンが多いと毛の量は
 少なくなります。ただ、頭頂部の毛については少し様子が異なり、このメカニズムに
 ついてはまだ不明です。

<生活環境>

  •  睡眠 : 髪の毛の成長は夜間に行われて、昼間は成長しません。
        … 人間の体は、昼間は脳・筋肉・消化器等に、夜間は骨・皮膚に多くの
          血液が循環するようにできています。
          そして、夜間皮膚に十分な血液が流れることにより、毛の成長が行われる
          事になります。
          これらのシステムは、実際にとった行動だけではなく、体内時計にも支配
          されているため、昼夜の逆転生活・夜更かし等は、抜け毛のためには
          良くないといえるでしょう。
  •  喫煙
         … 喫煙時には、二酸化炭素・タール・ニコチン等と同時に、一酸化炭素
           をごく微量ですが吸い込む事になります。この一酸化炭素は、血液中の
           ヘモグロビンと非常につきやすく、また離れにくい性質も持っています。
           そのヘモグロビンについた一酸化炭素が、毛細血管の壁にわずかな
           傷をつけるのです。
           それがたびたび続くと、毛細血管が硬くなり、十分な血流ができなくなる
           可能性も指摘されています。
  •  食事
        … 日本の食料事情からすれば、普通の食事を、普通に摂ることで、十分な
          栄養価が期待できます。
          ただ、無理なダイエットで急速に体重減少を生じた人では、様々な体調の
          異常とともに、抜け毛が急速に進むことがあります。
  •  ストレス
        … ストレスには「自分で意識しているストレス」と「自分では意識していない
          潜在意識下のストレス」の二種類があります。

 * 潜在意識下ストレスとは?
     人間は誰でも「夢」や「希望」「目標」を持っています。
     例えば、その設定が大きすぎたり、その途中でエネルギーが少なくなって、
     心に不安・心配などが生まれた時、人間の体はどのように反応するのでしょう?

     ある人はさっさと諦めるでしょう。
     しかし、諦めずに黙々と頑張り続ける人もいるでしょう。それは人それぞれ…。

     数年前、大ベストセラーになった『脳内革命』によれば…。
     人間は、諦めずに頑張ると決めた時点から、脳内でドーパミン・エンドルフィンなど
     の覚醒剤に似た物質を作り出す能力があるそうです。
     これが分泌されれば、体は軽快に動き、疲れは感じなくなり、更には非常に気持
     ちのよい状態になります。
     そのような働きによって、どんどん頑張って行けるわけです。

     この状態が一概に悪いというわけではなく、ほどほどにしないと、どうしても体の
     どこかに無理がくるというお話なのでした。

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